1to1商談の進め方|成果につなげる事前準備と当日の組み立て
交流会で名刺を交換し、「一度ゆっくりお話ししましょう」と1to1商談の約束をした。日程は押さえたものの、当日は近況報告と世間話で終わり、結局その後は何も動かなかった——。心当たりのある方は少なくないはずです。1to1商談は、事前準備と当日の組み立て方で結果がはっきり分かれます。この記事では、初対面に近い相手との1to1商談を成果につなげる進め方を、時系列に沿って整理します。
この記事の要点
- 成否は事前準備で8割決まる。目的を1つに決める・相手を調べて仮説を持つ・渡せるものを1つ用意するの3ステップ約30分。
- 当日60分は、あいさつ5分・相手の話20分・自分の説明15分・具体案15分・次のアクション5分。聞く時間を長く取る。
- 商談後48時間以内に、お礼の連絡・約束したことの実行・相手の情報の記録の3つを行うと、紹介が返ってくる。
1to1商談と交流会は、何が違うのか
まず前提の確認です。交流会が「広く浅く」多くの人と接点をつくる場だとすれば、1to1商談は「狭く深く」一人の相手と向き合う場です。同じ人脈づくりでも役割がまったく違います。
- 時間の使い方:交流会での立ち話は数分ですが、1to1商談は30分〜1時間。相手の事業の背景まで踏み込めます。
- 情報の深さ:会社概要ではなく、「いま何に困っているか」「どんな顧客を探しているか」という具体的な話が聞けます。
- その場で決められること:協業の可否、紹介の約束、次回の打ち合わせ日程まで、その場で決着させられます。
つまり1to1商談は、交流会でできた接点を具体的な仕事の話に変換する工程です。ここを世間話で終わらせてしまうと、交流会に参加した時間ごと無駄になってしまいます。名刺交換からこの1to1につなぐまでの流れは交流会の名刺交換マナーと翌日からのフォローアップで詳しく解説しています。
成果につながらない1to1商談の3パターン
パターン1:準備なしで「とりあえず会う」
もっとも多いのがこれです。相手の事業を調べないまま席に着くと、最初の20分が会社説明の聞き取りで消えます。事前に調べれば分かることに時間を使ってしまい、肝心の「では何ができるか」を話す時間が残りません。
パターン2:自分の話だけで終わる
自社を知ってもらおうという気持ちが強すぎると、一方的な売り込みになります。相手からすれば「聞かされただけ」の時間になり、次の約束は生まれません。1to1商談の主役は相手だと考えたほうが、結果的に自分の仕事にもつながります。
パターン3:次の約束をせずに解散する
話は盛り上がったのに、「またご連絡します」で終わってしまうケースです。お互い忙しいので、その場で何も決まらなければ、たいていそのまま流れます。
事前準備:会う前の3ステップで8割が決まる
1to1商談の成否は、当日の話術ではなく準備で決まります。前日までに次の3つを済ませておきましょう。所要時間は合わせて30分ほどです。
特に3つ目の「渡せるものを1つ用意する」は効果が大きい準備です。高価なものである必要はありません。「その課題なら、こういう方をご紹介できます」「同業の方がこの方法で解決していました」という一言で十分です。先に与える姿勢が伝わると、相手も自分の情報を開いてくれます。
当日の進め方:60分をどう配分するか
時間が限られている以上、行き当たりばったりでは話しきれません。60分の商談なら、次のような配分を目安にすると全体が収まります。
| 時間帯 | やること | 意識すること |
|---|---|---|
| 最初の5分 | あいさつ・場をあたためる | 共通の知人やイベントの話題から入ると自然 |
| 次の20分 | 相手の事業と現状を聞く | 調べた内容を確認する形で聞き、深掘りに時間を使う |
| 次の15分 | 自分の事業を説明する | 全部話さない。相手の課題に関係する部分だけ |
| 次の15分 | 接点を探して具体案を出す | 協業・紹介・相互送客など、選択肢を並べて反応を見る |
| 最後の5分 | 次のアクションを決める | 「誰が・いつまでに・何をするか」を口に出して確認 |
ポイントは、聞く時間を話す時間より長く取ることです。相手の話を20分聞いてから自分の話をすると、説明の切り口を相手の課題に寄せられるため、同じ内容でも刺さり方がまるで違います。
また、その場で仕事が決まらなくても落ち込む必要はありません。1to1商談の多くは「この人には誰を紹介できるか」を互いに把握する場であり、成果は数か月後に紹介という形で返ってくることが珍しくないからです。紹介が生まれる仕組みについてはリファーラル営業とは?紹介が自然に生まれる仕組みのつくり方もあわせてご覧ください。
商談後48時間のフォローで差がつく
終わった直後が、実はもっとも重要な時間帯です。次の3つを48時間以内に行いましょう。
- 当日中にお礼の連絡:話した内容を1〜2行入れると、相手の記憶に残ります。定型文だけでは印象に残りません。
- 約束したことをすぐ実行:「あの資料をお送りします」「あの方をご紹介します」は、鮮度が高いうちに実行します。ここでの一手が信頼の土台になります。
- 相手の情報を記録する:事業内容・探している顧客像・困りごとをメモしておくと、後日ぴったりの相手が現れたときに紹介できます。
3つ目は地味ですが、続けるほど効いてきます。人を紹介できる人のところには、紹介の話が集まってくるからです。
1to1商談が生まれやすい環境に身を置く
ここまで進め方を整理してきましたが、そもそも1to1商談の相手をどう見つけるかという課題もあります。交流会で会った方に個別に声をかけるのは、慣れないうちはハードルが高いものです。
その点で、1to1が前提になっているコミュニティに所属するのはひとつの解決策です。たとえば大阪のビジネスコミュニティDeal Denでは、会員専用サイトから直接1to1商談を申し込める仕組みがあり、AIマッチングが相性のよい相手を提案します。150社以上の多業種の経営者・事業主が参加しているため、「この分野の人と話したい」という希望から相手を探せます。拠点「Business HUB」にはコワーキングスペースとCafe & BARが併設されており、商談の場所に困ることもありません。
商談相手の探し方全般についてはビジネスマッチングとは?種類・仕組みと活用のコツで解説しています。大阪で相手を見つける手段の比較はビジネスマッチング大阪|成果につながる出会い方と使い分けをご覧ください。
よくある質問
1to1商談は何分くらいが適切ですか?
初対面に近い相手なら60分を目安にすると、相手の事業を聞いたうえで具体案まで話せます。忙しい相手や2回目以降であれば30分でも十分です。大切なのは長さより、終わりの時間を先に決めておくことです。時間が決まっていると、双方が要点から話すようになります。
売り込みだと思われないためにはどうすればよいですか?
最初の20分を相手の話を聞く時間に充て、自分の説明は相手の課題に関係する部分だけに絞ってください。加えて、紹介できる人や役立つ情報を1つ持参し、先に差し出すことです。「この人は自分に何かをくれる人だ」と伝われば、売り込みという印象にはなりません。
その場で仕事につながらなかった場合はどうすればよいですか?
すぐに仕事にならないのが普通です。相手の事業内容と探している顧客像を記録しておき、条件に合う方が現れたときに紹介してください。紹介は返ってくるものなので、数か月後に別の形で成果になることがよくあります。関係を切らずに、イベントなどで顔を合わせ続けることが大切です。
まとめ
1to1商談を成果につなげる鍵は、①目的を1つに決める②相手を調べて仮説を持つ③渡せるものを用意する、という30分の事前準備にあります。当日は聞く時間を長めに取り、最後の5分で「誰が・いつまでに・何をするか」まで決めてください。そして48時間以内のフォローと記録を欠かさないこと。この流れを繰り返すうちに、紹介が自然に集まる状態がつくられていきます。

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